食生活の変化とともに歩む、日本の伝統食品とは・・・

子供たちへ語り継ぐもの

子供たちの味噌蔵見学も年間何千人と受付けますが、その説明は私がやります。何故かというと、きれいごとで「ものづくり」を語れないからです。なにかを伝えるには、どうやるべきなのかをある意味考えなければならない。誰ならば伝わるのか、どう伝えるのか、そこまで入り込んで、子供たちに色々なことを伝えていきます。

実は最近、食品会社を子供たちに見せていただけなくなってます。ガラス張り、ニオイがしない、別世界が広がっているところはいいのですが、衛生面だとか、異物混入だとか、虫が入る等はクローズする。こんなことで「食」というのは守れるだろうかと疑問を持ちました。誰かがやらなければいけないのなら、自分がやるという発想で取り組みました。ぜひ考えていただきたいのは、綺麗ごとで話してはダメだということです。伝えるという行為は、やはり一歩踏み込まなければいけない。掃除しても出るニオイなどを子供たちにきちんと説明していく、裸の私たちを見せる行為は逆に、私たちの姿を活かそうという発想です。それを踏まえると、今までとは違うように見えてくるものです。本当の真実というのを皆さんに伝えたい。本当は味噌ってこんなものなんだ、決して特別なものでもなんでもない。ほんの数十年前までは、たぶんここにいるみなさんの家庭、祖父母、曾祖父母みな味噌を作ってた。そんな当たり前のことの、その向こう側に私たちの食べるという行為があった。子供たちを納得させるためには、真実を伝える、真実を見せる、嘘を言わない、そうすることで伝わったなという思いはあります。

「食のしつけ」を教育としての「食育」へ


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