原田さん:
親としてどこまで口を出していいのか悩みます。「勉強してるかな?」と部屋をのぞくと、ゲームをしていたりして。大学のことも聞きたいのですが、あまり言ってこないんですよ。
萩尾さん:
勉強しているかを疑い、「勉強しなさい」と言われるのは嫌ですね。勉強をやった上で、家ではゆっくりしているので。
米田さん:
僕も自分なりに頑張っているのに、「頑張れ」「何で勉強しないの」と言われるのが一番嫌でした。それに、兄弟や他人と比較されるのもつらかったです。でも、これは大学に入ってから自覚したのですが、親がいてくれたから勉強できる時間があったんだなと。当たり前だと思っていたことが当たり前じゃなかったということ、親のありがたみがよく分かりました。
原田さん:
親からはどんな協力が嬉しいですか。
萩尾さん:
帰宅したときに「今日どんな勉強したの?」と聞かれて、「過去問で何点取れた」と話したときに、以前の点数を覚えてくれていて「すごいね!」と褒めてくれたのが嬉しかったです。「自分の頑張りを認めてくれてる」と感じましたね。それと、大学のパンフレットを取り寄せてくれたり、手間がかかることを代わりにやってくれたのがありがたかったです。
米田さん:
親からのサポートとして、「勉強しなさい」と言うよりも、「こういう勉強法もあるみたいだよ」と提案する形で伝えてあげると良いかもしれません。僕は塾講師として、積極的に生徒の良いところを見つけて褒めるようにしているのですが、当たり前だと思っていることでも具体的に褒めてあげると子どもはモチベーションが上がると思います。
原田さん:
うちは3年生でようやく部活を引退し、勉強に入ったようで、塾の開校から閉校まで行っていますね。
今村さん:
うちはまだ2年生で、陸上部の活動に専念しています。親としては、帰ってきたら「とにかく勉強する時間を確保してあげる」「ご飯を出してあげる」と衣食住を整えて部活と勉強の両立を支えているという感じです。元々、高校受験のときも部活と勉強の両立をずっと続けていて、今も頑張っている姿を見ているので、手伝ってあげることしかできないなと。
岸本さん:
うちも2年生で、中学校の頃からソフトボールを続けています。ただ人数が少なくて趣味の延長のような活動で、時間は十分にあるはずなんですけど、勉強をしないんですよね。もしかしたら、時間があるからこそ、する気にならないのかもしれないです。
米田さん:
そういう場合、好きなことを全力でやらせてあげるのも手かもしれません。欲が満たされると、自然と他のことに目が向くことがあるので。それと、ご褒美を設定するのも効果的です。僕はお小遣いがなかったのですが、「次のテストで100点を取ったら5000円」と言われてやる気が出ました。それができたらどんどんハードルと報酬が上がっていって、ゲームのクエストを攻略していくようなイメージです。それをクリアしていく中で、勉強するリズムが生まれて、習慣化されていきました。
室田邦博さん
室田邦博さん(以下、室田さん):
うちの息子は中学から水泳部に入っていまして、高校でも水泳を続けています。体力作りがメインで、そこまで本格的ではありません。時間はあるのですが、家ではソファに寝転がって、ずっとスマホを触っています。勉強をやらないわけではないのですが、スマホを見ている時間のほうが長いですね。
米田さん:
スマホでも勉強できるので、僕は塾の生徒におすすめのYouTuberやアプリを教えています。スマホを触る時間が固定なら、その時間を勉強に回させるということをやっているんです。「このYouTuberがすごく分かりやすいみたいだよ」と教えてあげるのも良いかなと思いますね。
原田さん:
私自身、大学生のときは一人暮らしですごく不安でした。そんなとき、大学生協が精神安定剤のような存在で、家具やテレビ、全部お世話になりました。自分の子どもが一人暮らしになるとすると、生活費をどうするか、それにセキュリティ面がすごく心配です。見守りサービスのようなものがあると嬉しいのですが。
今村さん:
セキュリティが一番心配です。それに、家事を何もさせてこなかったので、生活していけるのかも不安ですね。
米田さん:
大丈夫です。僕もまったく家事をさせてもらえませんでしたが、何とかなっているので。
岸本さん:
うちは一人っ子で初めての大学受験で、何が心配なのかさえ分からない状態です。一人暮らしになった場合、本人の生活力は心配していないのですが、セキュリティと病気のときが心配ですね。
室田さん:
楽しみしかないですね。どんな生活をするんだろうと。変わったりもするんじゃないでしょうか。自宅では部屋が汚いのですが、一人暮らしをしたらきれいになるかもしれないですし。どんなふうに変わるのか楽しみですね。
原田さん:
一番困ったことは何ですか。
萩尾さん:
食事と病院ですね。疲れて帰ってきて元気がないときの食事の準備や、具合が悪くてもどこの病院に行けばいいか分からないかったときは困りました。
米田さん:
一番困っているのは生活のリズムが崩れていることです。自分のやりたいことに夢中になっていると、どうしても夜更かしをしてしまうんですよ。
それに、病気のときも困りました。1年目は病院から遠い場所に住んでいたんですが、インフルエンザにかかったときは頼れる人も近くにいなくて、本当に大変でした。病院が近くにある場所に住むのは、とても大事だと思います。
食事に関しては、大学生協の「ミールシステム」に入っているので安心です。毎日決まった金額まで使えるのですが、「使わないともったいない」という気持ちで大学に行って食事をするようになります。良い意味で強制的に食生活を管理できるので、特に一人暮らしを始めたばかりの頃はおすすめです。
岸本さん:
アルバイトをしているとのことですが、勉強時間は確保できるものですか。
米田さん:
確保できますよ。僕は大学で学生委員会などにも参加していますが、勉強と課外活動以外の時間をアルバイトに充てています。
萩尾さん:
一人暮らしだと月に5〜7万円ほどアルバイトで稼げると生活しやすいのですが、週3日・1日3〜4時間程度で稼げるので勉強時間は十分に確保できます。
米田さん:
「大学生になると勉強が難しいのでは?」と思われる方も多いですが、そんなことはないと感じています。「授業は落とすためではなくて、学んでほしいことがあるから行っている」と大学の教授はおっしゃっていて、真面目に出席して課題を提出すれば単位を落とすことはまずありません。
原田さん:
今までは就職をメインに考えていましたが、今日のお話を聞いて、大学生活で行動力やコミュニケーション能力を身に付けてほしいと思うようになりました。
今村さん:
専門的なものを目指してほしいという思いがあったのですが、「大学生活の中で自分を成長させる」というお話をお聞きして、本人が行きたい大学で自分自身をどんどん成長させていってくれたらいいのかなと思います。
岸本さん:
つい自分の希望を押し付けてしまいがちですが、子ども自身が悩んで、自分で好きなことを見つけて決めてほしいと思っています。ですが、歯がゆくて待っていられなくなってしまうので、私が我慢できるようになりたいです。
室田さん:
特に本人にやりたいことはないようで、今志望している大学も家から近いからと。「そんな理由で決めていいのだろうか」という心配はありますね。
米田さん:
「好き」の中からやりたいことが見つかることがあると思います。僕がこの大学に決めた理由は、自分が好きなゲームの「作るまでのプロセス」を読んで、「自分もゲームを作りたい!」という思いが強まったからです。「好きなもの」の中から「やりたいこと」を見つけるサポートをしてあげれば、進学したい理由をしっかり付けてあげられるかもしれません。
室田さん:
そういう考え方もあるんですね。
今日の皆さんのお話をお聞きして、立命館大学のように他県から多くの学生が集まる環境で、さまざまな価値観に触れられるのはすごく良いことだと感じました。
立命館生協 衣笠購買店
村上泰三 店長
司会:立命館生協では、志望校が決定するかどうかというタイミングの9月に、大学生のお子さまを持つ保護者の方と現役大学生とのオンライン座談会を行います。ぜひ皆さまの周りの保護者の方にもご参加いただいて、入学までに不安なことなどご質問いただければと思います。全国版で同様のセミナーも開催されますので、ぜひ情報収集いただきながら、ご活用ください。
大学生協では、毎年1万人以上の学生に「学生生活実態調査」というアンケート調査を行い、現状大学生からの情報を基に発信しています。お住まい、入学準備の説明会、個別相談、学生生活の暮らし、リスク、食事、教材、学びなどについてご紹介していますので、大学受験される段階からご相談いただき、安心してお任せていただければと思います。
本日は、これにて終了したいと思います。
ご参加いただきましてありがとうございました。
2025年7月3日 立命館大学 大阪いばらきキャンパスにて