山形大学2年 片山凜夏
寝る前のひととき

そうだ、あの本を読みたいんだった。本屋さんで見つけて惹かれた
『吸血鬼は初恋の味』(赤川次郎/集英社オレンジ文庫)という本。赤川次郎さんといえば正統派のミステリーを何作も書かれている「すごい人」というイメージだったけど、この本は可愛らしい表紙で文字も大きく、挿絵もついている。
正統吸血鬼のフォン・クロロックが吸血鬼と人間のハーフである神代エリカの周りで起こる事件を解決していくという話だった。一気に読んでしまったせいで、思ったよりも寝るのが遅くなってしまった。
寝転んで読んでいたついでに、この本を調べてみる。「吸血鬼はお年頃」というシリーズで、どの巻からでも気軽に読め、非現実的な事件も多いみたいだ。私の中にあった赤川さんのイメージが崩れてしまったこともあり、「赤川次郎さんの雑な仕事シリーズ」と呼んでみる。ミステリーや読書が苦手な人でも読みやすそうだといういい意味でだ、と心の中で勝手に言い訳までして。
あぁ、またこのシリーズの本を買ってみよう。おやすみ。
移動のお供に

連休があったので電車に乗って実家に帰ることにした。移動中に読む本は何にしよう。
伊坂幸太郎さんの
『陽気なギャングが地球を回す』(伊坂幸太郎/祥伝社文庫)を薦められたんだった。それを持っていくことにしよう。
駅までの道中に、これまでに読んだことのない伊坂さんの作品が、自分にとって苦手なジャンルだろうと考えていた。私は読んでからもずっと考え続けてしまうような重い作品よりも、楽しく読んで「あーおもしろかった」と現実に戻って来られるような軽めの作品の方が好きだから。伊坂さんは重い作品を書いているイメージがあるから。
コーヒーを買って電車に乗り込み、さっそく読み始める。それぞれに特技を持つ4人組の強盗の話だ。
あ、降りないと。読みかけの本は中途半端なところで止まっていて、早く続きを読みたくなる。
実家に着いてからも続きを読んだ。おもしろい。どうしてこれまで読んでこなかったのだろう。読まず嫌いは損をするなと思った。会話が多くテンポがよくて読みやすい。クライマックスで回収されまくっていく伏線もすごかった。
このシリーズは3冊出ているらしい。大好きなシリーズの1つになりそうだと思う。