私のセンス・オブ・ワンダーな一冊
〜読者アンケートから〜

特集「すこし不思議な物語」記事一覧


ジャック・ロンドン〈白石佑光=訳〉
『白い牙』
新潮文庫/本体590円+税
 一匹の狼が原野に生まれ、人間のもとで愛情を知るまで。訪れたことも、またこれからも足を踏み入れることはないであろう大自然を駆け巡った気分になれる、私にとって最高の動物小説です。

(北海道大学 らぷらしあん)
 


J.D.サリンジャー〈野崎孝=訳〉
「バナナフィッシュにうってつけの日」
(『ナイン・ストーリーズ』より) 新潮文庫/本体550円+税
 初めて読んだ時には、話の筋や内容がよくわからなかったです。しかし、何度も何度も読んでいく度に、明らかに物語に散りばめられた言葉たちの虜になって行きます。鮮烈な展開に負けないくらいの、寂しさや一種の孤独、気だるさが一纏めになっている、感性のパレットが埋め尽くされるような話です。

(日本女子大学 まめまめづくし☆ )


梨木香歩
『西の魔女が死んだ』
新潮文庫/本体490円+税
 とても心温まる話で、主人公と同じ年だった時に読んで元気をもらえた小説です。
 物語の中では直接「西の魔女」という言及はなく、物語のテーマは別のところにあるのに、なぜこのタイトルになったのだろうと不思議な感覚を覚えました。本の表紙デザインからもセンス・オブ・ワンダーを感じる一冊です。

(慶應義塾大学 sprout )


伊坂幸太郎
『終末のフール』
集英社文庫/本体630円+税
 あと8年で小惑星が衝突し地球は滅亡することが予告されてから5年が過ぎ、人々がパニックを終えて諦観する様子を描く短編集です。
 今までのSF小説は、ありえないからこそ現実逃避できることが醍醐味のひとつでした。この小説は一見ありえない設定に思えますが、日々私たちは嫌でも苦しくても逃げられないことが少なくありません。小惑星が衝突するという設定を、そのような人生の「逃げられないこと」と置き換えると、この小説世界で描かれている、絶望しても必死に生きる人々の姿というのはありえないものではないのかもしれないなと感じました。そのように従来のSF小説とは一線を画しているという意味で、『終末のフール』はセンス・オブ・ワンダーを感じられると思います。

(関西学院大学 みんみん)


モンゴメリ〈村岡花子=訳〉
『赤毛のアン』シリーズ
新潮文庫/本体710円ほか+税
 赤毛のアンのシリーズはいつどこで読んでもプリンスエドワード島に自分を連れていってくれるような気がします。

(東京外国語大学 じゃくりーぬ)

 


江戸川乱歩
『人間椅子』
角川ホラー文庫/本体480円+税
 センス・オブ・ワンダーとは一見程遠い作品のように見えるかもしれませんが、真か偽かわからない衝撃的な結末と乱歩の発想力に、不思議な心理的感覚を覚えました。

(慶應義塾大学 c.k)

 


高野和明
『ジェノサイド 上・下』
角川文庫/本体(上)600円、(下)640円+税
 人智を超えた新たな存在が既に世界のどこかで誕生しているように感じられます。

(埼玉大学 ちぃ)

 



 

コルネーリア・フンケ〈浅見昇吾=訳〉
『魔法の声』シリーズ
WAVE出版/本体【声】・【文字】1,900円、【言葉】3,000円+税
 翻訳本なのですが、日本語版の表紙がとてもおしゃれで、まずその見た目に心引かれます。登場人物たちが物語の世界に入ってしまったり、有名な物語のなかから現実にでてきたり。ヒロインの女の子がその物語からでてきた登場人物と恋におちたり。有名な物語の一節が章ごとにでてきて、様々な物語に取り込まれていくような印象をうける本です。

(宮城学院女子大学 )  


佐藤多佳子
『一瞬の風になれ 全3巻』
講談社文庫/本体①600円、②640円、③820円+税
 高校の陸上の小説です。新二のポジティブさに惹かれます。ライバルの連は速くて、強くて、追いつけないと思う日もある。でも、「これから上がっていくのだ、よーし」気持ちが切れかけた時、新二の言葉を借りて、声に出して、気合いを入れています。元気を貰える本です。

(金沢大学 はる)


冲方丁
『ばいばい、アース 上・下』
角川書店/本体(各)2,900円+税
 上下巻合わせて1000ページ以上とボリュームがあるが、あまりにおもしろく夢中で読んだ。不思議で痛快な物語にどっぷりはまりたい人におすすめ。

(奈良女子大学 玉鋼)
 


万城目学
『鹿男あをによし』
幻冬舎文庫/本体686円+税
 しゃべる鹿に、神経衰弱な先生、野生的魚顔の女子高生が大活躍!

(津田塾大学 カワウソの上にサカナ)

 


小野不由美
『月の影 影の海 (上)(下) 十二国記1』
新潮文庫/本体(各)520円+税
 主人公の女子高生・陽子が異世界へ降り立ち、様々な出逢いや選択をする、大好きな作品です。

(宮城学院女子大学 レモン)

 


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