私の一冊
〜読者アンケートから〜

特集「ノンフィクション」記事一覧

私の一冊①・② 〜読者アンケートから〜

印象に残ったノンフィクション 読書アンケートから

これまでに読んだノンフィクション作品のなかで印象に残った一冊を読者の皆さんに教えていただきました。


広島テレビ放送株式会社
『いしぶみ――広島二中一年生全滅の記録』
ポプラ社/本体1,300円+税


 迫力のある言葉に70年以上前の戦死者の存在を実感させられる。

(埼玉大学大学院 虎哲)


榎本博明
『「やりたい仕事」病』
日本経済新聞出版社/本体850円+税


 この本が私の悩みに答えをくれた本、として心に残っています。
 本書では、就活の際または就職後にキャリアデザインをすることに問題提起をしています。真面目な人ほど悩みすぎて、何が「やりたい仕事」なのか分からなくなってしまうそうで、それがまさに私でした。そんな私達に著者は、心理学の面からアドバイスをくれています。同時に、この悩みを抱えているのは私だけではなかったのだと、気持ちが楽になりました。

(法政大学 わかめが足りない)


竹田津実
『子ぎつねヘレンがのこしたもの』
偕成社文庫/本体800円+税


 この作品がとても心に残っています。小学生の時に読んだ作品で、切なさや悲しさ、喜びや感動など色々な気持ちが入り混じって沢山泣きながら読んだことを覚えています。
 視覚・聴覚・嗅覚を持たないヘレンが精一杯生涯を生き抜いた姿、また安楽死という選択をせず、最期までヘレンを世話し続けた竹田津先生夫妻の愛情に心が揺さぶられました。

(京都大学 ネコノヒゲ)


東京放送
『余命1ケ月の花嫁』
マガジンハウス文庫/本体524円+税


 千恵さんの懸命な姿に、健康な私が励まされています。すごいパワーを感じます。太郎さんや、お父さんの周りの人々もあたたかくて、涙が出ます。

(金沢大学 はる)


天野篤
『あきらめない心――心臓外科医は命をつなぐ』
新潮文庫/本体520円+税


 医師との関わりは基本的に病気になったときしかない。そして、医師の考えていることや信念なんてその時には聞けない。この本で医療の最先端を行く人の心持ちが、強く伝わった。

(東京学芸大学 auユーザー)


石川拓治・日本放送協会
『奇跡のリンゴ――「絶対不可能」を覆した農家木村秋則の記録』
幻冬舎文庫/本体533円+税


 この本がとても印象的だった。絶対に不可能とまで言われた無農薬のりんごの栽培。数々の苦悩、そして挫折。何度も何度も諦めかけた。しかし、最後の最後でたどり着いた栽培方法。この努力の軌跡を見ていると、本当に諦めないということがいかに大切か、ということが身にしみて理解できる。

(横浜国立大学 CITY )


神谷美恵子
『生きがいについて』
みすず書房/本体1,600円+税


 ノンフィクションと言えるかわからないが、人間とは、生きるとは、漠然と過ごしていたときにふと立ち止まる機会をくれた。題名が何故か忘れられない。

(京都大学大学院 ざっくろーに)

 

南条あや
『卒業式まで死にません――女子高生南条あやの日記』
新潮文庫/本体550円+税


 古本屋で購入。リアルと文章の隙間についても考えさせられたし、とにかくノンフィクションという圧倒的な力にがつんとやられた。

(北海道教育大学釧路校 れいちゃん)


生田武志
『釜ケ崎から――貧困と野宿の日本』
ちくま文庫/本体900円+税


 大阪・釜ヶ崎の野宿労働者と支援活動の実態。私が野宿労働者に興味を持った頃とは社会的な背景が大きく変わり、釜ヶ崎の街自体も変わってきた。支援する人も増えて、支援活動の幅も広がって、法律や制度も整備されてはきているけれど、まだまだ貧困や差別、識字といった問題は解決していない。形を変えて残り続けている。野次馬ではなく、当事者として動くことが大事だと強く心を動かされる。

(京都橘大学 まみー)


清水潔
『殺人犯はそこにいる――隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件』
新潮文庫/本体750円+税



 非常によく取材されていましたし、中立を守ろうという姿勢も伝わってきましたし、何より迫ってくるものがありました!

(弘前大学 Nonak)


サイモン・シン〈青木薫=訳〉
『フェルマーの最終定理』
新潮文庫/本体790円+税


 数学者の狂気的とも言える執着に震え上がったのを覚えている。そんな執着心は未だに感じたことがない。

(広島大学 ツァンベン)


デイヴ・ペルザー〈田栗美奈子=訳〉
『“It ”と呼ばれた子』

ヴィレッジブックス/

【幼年期】本体680円+税
【少年期】【青春期】本体720円+税
【完結編】本体740円+税


 この話が忘れられない。小学生の頃、母の本棚から見つけたそれは、私に多大なる衝撃を与えた。
 これは児童虐待の話である。カリフォルニア州で実際にあった、史上最悪と言われる児童虐待の体験者が自ら明かす、壮絶な日々の記録である。海外の話だが、児童虐待による死亡ニュースが頻繁に流れる現在だからこそ、読んでほしい、そう思わされる話である。

(宮城学院女子大学 )


ジェラルド・ダレル〈池澤夏樹=訳〉
『虫とけものと家族たち』
中公文庫/本体1,000円+税


 作者のジェラルド・ダレルが、ギリシャのコルフ島で過ごした子ども時代のお話です。彼の家族も家庭教師も島の人々も、みんないい意味でぶっ飛んでいます! 鳥や犬をはじめとする生き物たちの可愛さや美しい自然が目の前に浮かびます。とにかく愉快な読書体験ができます。

(名古屋大学 シエル)


ユン・チアン〈土屋京子=訳〉
『ワイルド・スワン』
講談社+α文庫/【上・下】本体(各)1,400円+税


 文化大革命の中国の混乱に翻弄された一族の歴史です。文化大革命の頃の中国の市井の人々の苦しみに心が痛みました。今の香港の雨傘運動の様子をみていると、中国の体質はその頃と変わっていないのではないかと改めて考えさせられます。

(埼玉大学 ちぃ)


ダニエル・キイス〈堀内静子=訳〉
『24人のビリー・ミリガン』
ハヤカワ文庫/【上・下】本体(各)1,000円+税


 さまざまな人物の視点から見た多重人格者ビリーへの印象を、とても鮮やかに描きっていると思う。ビリーと接するうちに周りの人の多重人格に対する印象が変化していくのがとても面白い。取材への熱が感じられる名作。

(京都工芸繊維大学大学院 やもり)

 
※斜体の投稿者名は、ペンネームです。


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