私のマイベスト

特集「本が好き!2020〜みんなで読書マラソン〜」記事一覧

『読書のいずみ』委員&読者スタッフsurvey

気になる『読書のいずみ』メンバーと読者スタッフの、華麗なる読書ライフを調査! ご自身のマイベストと照らし合わせながらご覧ください。
調査項目
A…2019年に読んだ本ベスト3
B…2019年に読んだ本の冊数
C…読書記録のツール
D…本を読む場所、場面
  • 愛媛大学 河本捷太/いずみ委員

    A
    ①オルテガ・イ・ガセト<〈神吉敬三=訳〉
    『大衆の反逆』
    (ちくま学芸文庫/本体880円+税)
    初めての連載(「名著に会いに」)に選んだ本であり、内容も印象的だった。

    ②米澤穂信
    『儚い羊たちの祝宴』
    (新潮文庫/本体550円+税)
    久しぶりに素晴らしい作家と出会えたと感じた。

    ③ 森博嗣
    『χの悲劇』
    (講談社文庫/本体700円+税)
    2019年に読んだ森さんの本の中で一番面白かった。

    B 62冊/ C Excel/ D 図書館 

  • 慶應義塾大学 戸松立希/いずみ委員

    A
    ①辻村深月
    『傲慢と善良』
    (朝日新聞出版/本体1,600円+税)
    「人を好きになること」の本質に迫っていて読み応えがあった。

    ②宮本輝
    『青が散る』
    (文春文庫/本体(上・下)590円+税)
    80年代の世界にタイムスリップした感があって面白い。同じ大学生として共感できるものがある。

    ③石田衣良
    『清く貧しく美しく』
    (新潮社/本体1,600円+税)
    人と人との繋がりの尊さについて改めて気づかされる。

    B 37冊/ C アプリ(読書メーター)/ D 電車の中、寝る前のベッド 

  • 広島大学 杉田佳凜/いずみ委員

    A
    ①宇都宮敦
    『ピクニック』
    (現代短歌社/本体2,000円+税)
    “面白い”というよりも“楽しい”がしっくりくる読み心地がすごく好きです。世界を肯定したくなってしまうような……。2019年は『ピクニック』が読めてよかった!の年でした。

    ② 岡田斗司夫・福井健策
    『なんでコンテンツにカネを払うのさ?』
    (CCCメディアハウス/本体1,400円+税)
    著作権に対する「著作権者としてクリエイターは稼げるのか?」という視点が新鮮でした。著作権を持っていないときのことばかり考えていたので。出版不況・同人・二次創作といったワードに関心がある人、特におすすめです。

    ③ジュリー・ソンドラ・デッカー〈上田勢子=訳〉
    『見えない性的指向 アセクシュアルのすべて』
    (明石書店/本体2,300円+税)
    「アセクシュアル(他者に性的に惹かれなかったり、性行為や性的魅力をそれほど重視しなかったりする)」と同時に「アロマンティック(誰にも恋愛感情を持たない)」についても知ることで、「恋愛を他の関係性、感情と区別するものは何か」という関心がいっそう深くなりました。

    B 50冊/ C ノート/ D 大学の研究室・電車や長距離バスなど移動中・布団 

  • 千葉大学 笠原光祐/いずみ委員

    A
    ①森絵都
    『カザアナ』
    (朝日新聞出版/本体1,700円+税)
    抜群に可笑しくて面白く、それでいて「今」への答えになり得る一冊だと思ったから。

    ②村田沙耶香
    『コンビニ人間』
    (文春文庫/本体580円+税)
    新時代の純文学にふさわしい、気持ち悪くて頭から離れてくれない面白さだったから。

    ③外山滋比古
    『思考の整理学』
    (ちくま文庫/本体520円+税)
    まだまだ色あせない、すべてに通ずる知の体系書で、読む喜びを感じられたから。

    B 35冊/ C ノート/ D 自宅のリビング 

  • 奈良女子大学 北岸靖子/いずみ委員

    A
    ①萩尾望都
    『半神』
    (小学館文庫/本体562円+税)
    人間心理の複雑さについて考えさせられた。

    ②本谷有希子
    『異類婚姻譚』
    (講談社文庫/本体560円+税)
    風刺がきいていて、面白いのに空恐ろしくなる。

    ③中村文則
    『教団X』
    (集英社文庫/本体800円+税)
    漫然と長いものに巻かれて生きることの危険性を強く感じた。

    B 130冊(推定)/ C 手帳/ D 電車の中 

  • 東京大学大学院 任冬桜/いずみ委員

    A
    ①ブレイディみかこ
    『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』
    (新潮社/本体1,350円+税)
    面白く読めて、考えさせられる。一生ものの課題図書!

    ②ジャレド・ダイアモンド〈長谷川寿一=訳〉
    『人間の性はなぜ奇妙に進化したのか』
    (草思社文庫/本体700円+税)
    知的好奇心が満たされた。ジェンダーについて考える新たな目線を得られた。

    ③チョ・ナムジュ〈斎藤真理子=訳〉
    『82年生まれ、キム・ジヨン』
    (筑摩書房/本体1,500円+税)
    この薄さでここまでガツンとくるか。男女問わず読んでほしい。

    B 68冊/ C アプリ(ブクログ)、たまに日記/ D 布団の中 

  • 同志社大学 畠中美雨/読者スタッフ

    A
    ①呉明益〈天野健太郎=訳〉
    『歩道橋の魔術師』
    (白水社/本体2,100円+税)
    短編集の良さが最大限活かされた作品で連なりが面白かったから。

    ②江國香織
    『きらきらひかる』
    (新潮文庫/本体460円+税)
    読み返しても新鮮さが残ったから。

    ③円城塔
    『これはペンです』
    (新潮文庫/本体460円+税)
    文章とは、文字とは何かを考えさせられた。

    B 80冊/ C アプリ(読書メーター)/ D 移動中の電車内 

  • 京都大学 徳岡柚月/読者スタッフ

    A
    ①米澤穂信
    『いまさら翼といわれても』
    (角川文庫/本体680円+税)
    謎解きと青春のほろ苦さが絶妙にマッチしていると思います。主人公の奉太郎くんの不器用な優しさに心をつかまれました。

    ②伊坂幸太郎
    『AX』
    (角川文庫/本体680円+税)
    殺し屋さんの物語ですが、家族を思う気持ちに感動しました。最後の章を読むときには自然と涙が溢れてきました。

    ③吉田篤弘
    『うかんむりのこども』
    (新潮社/本体2,400円+税)
    とてもきれいな本だと感じました。文字や言葉がどんどんつながっていって、おもしろかったです。

    B 306冊/ C アプリ(ビブリア)/ D 自分の部屋 

  • 大阪府立大学 福田望琴/読者スタッフ

    A
    ①ミッチ・アルボム〈別宮貞徳=訳〉
    『愛蔵版 モリー先生との火曜日』
    (NHK出版/本体1,800円+税)
    生き方について深く考えるきっかけをくれたから。人生でいろいろな壁にぶつかったとき、何度も読み返したいと思える本です。

    ②湯本香樹実
    『夏の庭』
    (新潮文庫/本体460円+税)
    情景描写の美しさに感動したから。この本がきっかけで、読書の魅力にもう一度目覚めました。

    ③小熊英二
    『決定版 日本という国』
    (新曜社/本体1,400円+税)
    日本について改めて見つめ直すきっかけをくれたから。日本がどのような歴史を経て、今の日本になったのかわかりやすく学べる本です。

    B 40冊/ C アプリ(ブクログ)/ D 家のフローリングの床の上で。電気スタンドをつけて 

  • 北海道大学大学院 沼崎麻子/読者スタッフ

    A
    ①へにゃらぽっちぽー
    『ぽ』
    (同人誌)
    昨年めちゃくちゃハマった本です。人かはたまた人以外なのかよくわからない謎生物(?)「へにゃらぽっちぽー」&その妹「へにゃぽちゃん」と、さまざまな人(?)やモノとの日常を描いた短編集。シュールなのにほっこり、可愛いのに脳をかき乱されるような不思議な感覚。個人出版ですが昨年はこれを超える作品が思いつきません! Boothで試し読みもできるのでぜひ。

    ②松崎久純
    『大学生のための速読法』
    (慶應義塾大学出版会/本体1,400円+税)
    なんでこの本が学部時代になかったと何度心で絶叫したか! ただ速く読めるようになるだけではなく、先行研究の論文や専門書などの内容を効率よくかつしっかり理解する方法が身についたし、難解な専門書を読む方法についても解説。これと西岡壱誠『東大読書』の読書テクを併せることで効果をさらに発揮します(個人の感想)。文系で論文を大量に読む学生さんに特におすすめです。『izumi』に掲載されていて目に留まった本でもあります。

    ③姫野桂
    『発達障害グレーゾーン』
    (扶桑社新書/本体820円+税)
    専門分野から1冊。日常的に困っていたり生きづらさを感じたりしているのに、発達障害の診断が得られないために支援が得られず生きづらさを継続させざるを得ない様々なタイプの「グレさん」たちの存在を知るきっかけに、そして、自分の周りにもいる「グレさん」や発達障害当事者の痛みに少しでも思いを巡らし、誰もが生きやすい社会はどうあるべきか考えるきっかけになってほしいと思います。

    B 50冊/ C 大学図書館の登録サイト、図書館の貸し出し履歴など/ D 地下鉄やバスの中、リビング、布団 

  • 横浜国立大学 田中匠/読者スタッフ

    A
    ①テッド・チャン〈浅倉久志=訳〉
    『あなたの人生の物語』
    (ハヤカワ文庫/本体960円+税)
    今まで読んできたSFの中で最も面白く、彼の作り出す世界観に心躍ったから。

    ②小川洋子
    『博士の愛した数式』
    (新潮文庫/本体550円+税)
    他のどの作品よりも圧倒的に感動させられたから。

    ③武者小路実篤
    『友情』
    (新潮文庫/本体370円+ 税) 人が恋に落ちた時に陥ってしまう心理状態を巧みに描いていたから。

    B 45冊/ C アプリ(読書メーター)/ D 通学時の電車やバスの中、休日は家のリビング 

  • 岡山大学 末永 光/読者スタッフ

    A
    ①原田マハ
    『キネマの神様』
    (文春文庫/本体680円+税)
    泣ける小説で、ストーリー構成も面白かった。原田マハさんの小説を読むのは初めてだったので印象に残っている。

    ②又吉直樹
    『夜を乗り越える』
    (小学館よしもと新書/本体820円+税)
    自伝で泣いたのは初めてで印象に残っている。

    ③ウイ
    『ハッピーエンドを前提として』
    (角川書店/本体1,400円+税)
    タイトルが好き。柔軟な恋愛の世界を見せてくれるいい本だった。

    B 100冊/ C 付けていない/ D カフェか自宅 

  • 金沢大学 光野康平/読者スタッフ

    A
    ①朝井リョウ
    『桐島、部活やめるってよ』
    (集英社文庫/本体480円+税)
    高校時代に感じていながらも部活や勉強、人間関係の忙しさに追われて向き合えなかった“光”をこの小説が照らし出してくれた。

    ②綿矢りさ
    『かわいそうだね?』
    (文春文庫/本体580円+税)
    主人公の感情が爆発するラストが笑えると同時に切なくて涙も出る。そんな素敵な読書体験ができました。

    ③V. E. フランクル〈池田香代子=訳〉
    『夜と霧』
    (みすず書房/本体1,500円+税)
    絶望の先には希望がある。この陳腐な言葉がこんなにも重みを帯び、尊く感じることができる一冊は本作以外考えられない。

    B 80 ~ 90冊/ C 付けていない/ D 図書館や喫茶店 

  • 金沢大学 品田遥可/読者スタッフ

    A
    ①村上春樹
    『ノルウェイの森』
    (講談社文庫/本体(上・下)620円+税)
    比喩が秀逸。二人の女性の間で揺れる主人公をずっと見ていたかった。

    ②三浦しをん
    『愛なき世界』
    (中央公論新社/本体1,600円+税)
    三浦さんの穏やかな恋愛が好き。

    ③宮下奈都
    『よろこびの歌』
    (実業之日本社文庫/本体533円+税)
    宮下さんの書く文章が一番好きだ。

    B 60冊/ C ノート/ D 大学の空き教室、自宅 

  • 広島大学 倉本敬司/読者スタッフ

    A
    ①夏目漱石
    『明暗』
    (青空文庫)色褪せない高い完成度。文体の力強さ。また、未完であるがゆえに印象に残った。

    ②木庭顕
    『誰のために法は生まれた』
    (朝日出版社/本体1,850円+税)
    法学部である私にとっての法律学の印象を大きく変えてくれたから。

    ③川上未映子
    『夏物語』
    (文藝春秋/本体1,800円+税)
    ジェンダー、結婚、こどもをもつこと、に関する自分の価値観を大きく揺さぶられたから。

    B 80 ~ 90冊位/ C 付けていない/ D 自室、食堂 

  • 千葉大学 磯部美月/読者スタッフ

    A
    ①羽海野チカ
    『3月のライオン 15』
    (白泉社/本体540円+税)
    羽海野さんのあとがきと挿絵がとても悲しいけど温かかったから。

    ②武田友紀
    『「繊細さん」の本』
    (飛鳥新社/本体1,204円+税)
    自分に当てはまることばかりで、日ごろの悩みへの対処法や新たな視点を得ることができたから。

    ③Jam〈名越康文=監修〉
    『多分そいつ、今ごろパフェとか食ってるよ。』
    (サンクチュアリ出版/本体1,100円+税)
    とても心に響く真摯な言葉とゆるいイラストのギャップが面白かったから。

    B 30冊/ C ノート/ D 自室 

  • 中京大学 平木里咲/読者スタッフ

    A
    ①沢木耕太郎
    『深夜特急 1』
    (新潮文庫/本体490円+税)
    読むたびにワクワクさせられる文章だから。情景描写が素晴らしく、五感をフルに刺激してくるところがまた凄い! 行ったことのない場所なのに、確かに自分の体験として刻み込まれた。

    ②渡辺和子
    『置かれた場所で咲きなさい』
    (幻冬舎文庫/本体500円+税)
    「何もできなくていい。ただ笑顔でいよう。」この一言に救われたから。自分はとにかく不器用だけど、これからも笑顔だけは心がけようと思えた。

    ③金原ひとみ
    『蛇にピアス』
    (集英社文庫/本体400円+税)
    今まで出会ったことないジャンルで衝撃を受けたから。一言一言の刺激が強く、読後にずしんと来たが、それがまた日常から引きずり出される感じでよかった。

    B 40冊/ C アプリ(読書メーター、ビブリア)/ D 電車、自分の部屋 

  • 東京大学 永井はるか/読者スタッフ

    A
    ①森絵都
    『リズム』
    (講談社/本体1,100円+ 税) 一つ一つの出来事に対する主人公の素直な感情が心を打った。

    ②上橋菜穂子
    『精霊の守り人』
    (偕成社/本体900円+税)
    物語の舞台の設定が現実と全然違うのに、描写が詳細でわくわくする。

    ③R.J.パラシオ〈中井はるの=訳〉
    『ワンダー』
    (ほるぷ出版/本体1,500円+税)
    周囲の人との関わりの中で主人公の世界が広がっていく様子に、自分も元気付けられた。

    B 15冊位/ C 付けていない/ D 家 

  • 北海道大学 長田幸子/読者スタッフ

    A
    ①夏目漱石
    『それから』
    (新潮文庫/本体460円+税)
    人間のエゴ・理性・感情が別々に働きかけ人間関係、心の模様をより複雑にしていくところに読みごたえがある作品だと感じたから。

    ② 三浦綾子
    『泥流地帯』
    (新潮文庫/本体750円+税)
    世間に存在する解決できない理不尽なことは多いけれど、その中で人間的価値を出すことについて考えさせられたから。

    ③北杜夫
    『どくとるマンボウ青春記』
    (新潮文庫/本体550円+税)
    北杜夫を通してみる豪放磊落、バンカラに生きていた戦前の大学生像が魅力的だから。

    B 48冊/ C 読書記録のチャット/ D 図書館(人気のないエリア)、電車の中 

  • 立命館アジア太平洋大学 飯田 惟太郎/読者スタッフ

    A
    ①江國香織
    『東京タワー』
    (新潮文庫/本体630円+税)
    去年読んだ本の中で今年も読み返したくなった唯一の作品。大学生が大人の女性と不倫をする物語だが、文章を通して透き通っている印象を受けた。青年が大学生ということもあり、自分に置き換えて想像しながら読めて非常に楽しかった。

    ②小野不由美
    『月の影 影の海』
    (新潮文庫/本体(上・下)520円+税)
    初めはただのファンタジーだろうと高をくくって読んでいたが、徐々にこの作品のテーマは信頼にあるということに気づかされ、現実にはありえない世界観の物語であるはずなのに、なぜかキャラクターに心を動かされた。また、国の設定が相当しっかりしていてまるで歴史的書物を読んだ気にもなった。

    ③ 伊集院静
    『アフリカの王』
    (講談社文庫/本体(上) 695円、(下)714円+税)
    これを選んだ理由は端的にいうと主人公に対する憧れである。編集者である主人公が仕事でアフリカを訪れた際にホテルを作ることを思いつき、それに向けて奮闘する物語。彼の奔放さと我が道を行く姿勢に自分は憧れた。そもそも彼がホテルを作ることになったのはある丘の上で旨い酒を飲みたいということだった。それだけのために、あちこち旅をし、会社をクビになっても飄々としていた。彼は人生の主役なのである。周りの反応を気にすることはあまりなく、自分の目的のために生きていく姿勢が羨ましいと感じた。

    B 45冊/ C 付けていない/ D 大学図書館、自宅 


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