本の中のお気に入りの一文、
そして読者が「美しい」と感じた一文を読者に紹介してもらいました。
「ただただ圧倒されていたのだ。自然の作り出した奇跡的な、図ったかのような造形に」
有川ひろ『アンマーとぼくら』より
(広島大学 はる)
行く川の流れは絶えずして、もとの水にあらず
鴨長明『方丈記』より
(龍谷大学大学院 智)
「ちょっと損得から離れるといいですよ」
喜多川泰『運転者』より
(早稲田大学 ナカムラトモキ)
「娘は、そのまま故郷でもあるのだ」
プルースト『失われた時を求めて(花咲く乙女たちのかげに)』より
★コメント
とても美しく、そしてまた奥深い一文です。この文を味わいながら小説の舞台となったフランスの土地を想像すると、上品で素敵な気分になれます。
(東京大学 紙辞書好きの学生)
「長所は、自分はカッコ悪いということを、認めることができたところです」
朝井リョウ『何者』より
(法政大学 たけとう)
「目に見えるものだけが悲しみじゃない」
東野圭吾『秘密』より
★コメント
わたしも、見えるものだけで物事を判断するのではなく人の悲しみを深いところから共感できる人になりたいと思います。
(清泉女学院大学 葉っぱの子)
「全ての人の命は同じ重さを持ちます。そして、救う価値があるのです」
『ハリー・ポッターと死の秘宝 下』より
(大阪大学 トロイの木馬)
「あいてる目は現実しか見ないが、潰れている目は幻までも見るんだ」
寺山修司『書を捨てよ、町へ出よう』第二章より
★コメント
寺山の友人で片目を失明している男性の言葉で、寺山の詩に「片目のジャック」が登場するほど、寺山にとっても重要なテーマだったのだと思います。うまく言えないのですが、とても素敵な考え方だなあと思いました。
(名古屋大学 シエル)
「娘を殺したのは私でしょうか」
東野圭吾『人魚の眠る家』より
★コメント
(セリフはこのような感じですが、定かではありません、すみません。)母親が娘を思う気持ちがこの一言に込められているような気がしてとても感動しました。
(長野県看護大学 れもん)
「耳にはまぶたがない」
伊藤計劃『虐殺器官』より
★コメント
見たくないものはまぶたを閉じてしまえばいい。ですが、聞きたくない音や声はどんなに耳を覆っても聞こえてきてしまう。さらっと登場する一文なのですが、この作品を貫くテーマを味わうためのキーワードになっているのでこの一文が深く胸に刺さりました。
(横浜国立大学 CITY)
「何かを得るためには、何かを失わなくてはなね」
川村元気『世界から猫が消えたなら』より
(兵庫県立大学 ちーすけ)
「『私なんか』、ですか。あなたがご自分を誰と比べてそう言っているのか分かりませんが、あなたにとっては唯一の、大切な自分自身ですよ。そのように言ったら、あなた自身が可哀想です」
川添愛『数の女王』より
(東京経済大学 鈴木結華)
「理屈とか理由とか、関係ないんだよね、友だちって」
重松清『きみの友だち』より
★コメント
友だちに気を遣わなければと思いつつ、なんでこんなに考えているんだろうと思っていたときにこの一文が染みました。理屈とかどうでもいいですよね。。。
(新潟大学大学院 お腹へった)
「すると突然、雨が生ぬるく匂い始めた」
森下典子『日日是好日』より
(早稲田大学 太田裕人)
「私も君も、一日の価値は一緒だよ」
住野よる『君の膵臓をたべたい』より
(山口大学 Taku)
「人間は自分が理解できるように世界を簡単にしてしまうものなのさ」
浅原ナオト『彼女が好きなものはホモであって僕ではない』より
(富山大学 HiNa)
「傷つくのを恐れることは、実際に傷つくよりもつらいものだと、おまえの心に言ってやるがよい。夢を追求している時は、心は決して傷つかない」
パウロ・コエーリョ〈山川紘矢+山川亜希子=訳〉『アルケミスト 夢を旅した少年』より
★コメント
何かにチャレンジしたいとき、自分に自信が持てないときに、勇気を与えてくれる場面です。
(岡山大学 しろくま)
「なるほど、恋の効能は、人を謙虚にさせることだった」
平野啓一郎『マチネの終わりに』より
(東京都立大学 おさとう)
『僕はもうあのさそりのようにほんとうにみんなの幸(さいわい)のためならば僕のからだなんか百ぺんやいてもかまわない』
宮沢賢治『銀河鉄道の夜』より
(茨城大学 テト)
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