「イッキ飲みは死を招く」注意喚起 座談会

社会に出たら、まだまだ飲まされる「風潮」はあると感じていますが、飲めない大学生は大変かと思います。人間関係を壊さずうまく関わりを持ちながら、「断る方法」などを教えて下さい。

藤田:
上手い断り方というのはいつも問題になるんです。相手の気持ちを害さずに、でも自分は飲めないということを徹底して言うしかないんです、自分は飲めません、お酒弱いんです、あるいは未成年なんですということを、相手にはっきりと自分の意思を伝えるのが第一歩です。

座談会

山本:
うちの会社の従業員は、適正飲酒の知識を持っているので、弱い人には勧めたりしないんです。例えば、うちの会社は瓶ビールが好きで、それを注ぎ合ったりするんですが、私はちょっと飲んで、注いでもらっても置いておく。常にグラスがいっぱいの状態を保っておけば、それ以上勧めてこない。何より、自分は飲めないんですと、ちゃんと意思を表明するということが大事です。

近藤:
飲み会の場に行きたくないというかんじですかね、それともお酒自体を飲みたくない、どっちも断る理由というのは?

石塚:
僕がイメージしたのは行った後の状態ですね。

近藤:
行った状態ですね。飲む量をなるべく抑えるという意味では、今お話ししたように、グラスをあけない。(笑)

藤田:
お酒を飲むことで場を繋いだり人と人との関係を深くしたりする役割もあるので、無理矢理飲ませるだとか、飲まされるという険悪なムードが漂ったら、せっかくの大切な場が台無しになっちゃうじゃないですか。なんのために集まって飲んでいるのか、お酒は楽しいひとときを過ごすためのツールというふうに思ってもらいたいと思いますね。

山本:
飲む以外にコミュニケーションの方法がないと、飲む、飲まないというのに焦点がいってしまうので、例えば上司の趣味は何かとか、仕事でこんなことで悩んでいて、とかお酒以外の話で盛り上げれば、飲め飲めってだけの話にはならないかなと思います。トーク力を磨いておくというのも大事だと思います。

石塚:
僕たちぐらいの年齢の人がちょうど飲酒事故防止を気にかけているという歳ということもあって、僕たちの世代がお酒に関するあまり良くない風潮を修正していって、自分たちが上司になった時あたりに、そういった風潮が無くなればいいかなというぐらいに思っています。それまでに今そういう環境を作らないためにも、大人の方が次の世代のことを考えてほしいなというふうに思います。社会全体としてよくないことだという認識をちゃんと持つ必要があるかなと思います。

藤田:
おっしゃるとおりだと思います。

座談会

近藤:
社会の意識を変えて行くためにツールを作ったり、意識改革のためのウェブサイトでコミュニケーションをはかったり、ということは我々の方でもっと広げてやっていこうとしているので、意見をいただけると嬉しいです。ニュースになってパブリックで言われるようになると、みんながなんとなく強要しなくなる、そういう風土を企業は作っていく必要があると思うので、まだまだ着手したばかりですが、今後広げていこうと思います。

藤田:
お酒はネガティブな面もありますが、ワインにしろビールにしろ紀元前からずっと飲み続けられたものなんです。なぜかというと、やはりそれだけの魅力があったからなんですよね。人と人を結びつける、良いつなぎ役としての役割があり、また日本だったら、神様にお供えするためのものでもあるわけだから、文化的にも歴史的にもずっと語り次がれ、飲み続けられてきたものなんです。それを不適切な飲み方によって自分自身の体を壊してしまい依存症になってしまったら一生お酒を飲めなくなってしまいます。おじいちゃんになってもおばあちゃんになっても適切な量で飲んでいただいている分にはとてもいいものなので、楽しく末永くお酒を楽しんでいただきたい、ということをアピールしていきたいなと思います。

石塚:
本日はお忙しい中 貴重なお話をお伺いできましたこと、お礼申し上げます。ありがとうございました。

座談会

2016年11月 キリン株式会社 本社にて


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