本で世界をあ・る・く

特集「文学で世界旅行」記事一覧

いずみ委員セレクション

ヨーロッパ、アフリカ、アジア、オセアニア……
なかなか海外に出られないあなたも、本のなかの世界で一緒に旅をしてみませんか。

  • 『フィールドに入る』
    椎野若菜・白石壮一郎
    古今書院/本体2,600円+税

    一生のうちに滅多に北極に行けるチャンスはないと思い、北極に氷河の調査に行くことに決めた的場さん。その後北極探検家の山崎さんと出会い、2人は犬ソリを使って北極の科学観測に出た。しかし、北極での調査は生半可なものではなかった。道中の食事は全て塩味の単一の味。そして何よりソリの犬の死。私が北極に抱く幻想を裏切るも、自然の美しさと同時に恐怖も感じられ、そこで生き、調査を進める作者の成長が感じられる。(田中)

  • 『高慢と偏見』
    ジェイン・オースティン〈阿部知二=訳〉
    河出文庫/本体950円+税

    題名からして勝手にお堅い小難しい本と勘違いしていました。全く違います。主人公とそのお相手がぶつかることから始まる、少女漫画の元祖的展開です。それだけでなく、結婚という人生の岐路に翻弄される点で現代でも共感します。イギリス女子たちの恋に一喜一憂する姿、華やかな貴族たちの世界へご案内いたします。(母里)

  • 『シンベリン(シェイクスピア全集22)』
    シェイクスピア〈松岡和子=訳〉
    ちくま文庫/本体900円+税

    ブリテン王シンベリンの娘が愛した男—ポテュマスは身分が低かったため、王によって追放される。ある日2人の恋路を邪魔する人が現れ、ポテュマスは彼女に殺意を抱く。それを知った側近は彼女を男装させ、ローマ軍に入らせる。彼女がポテュマスに会えたとき、彼は……!? 戦争の最中愛し合うとは何か。愛の絆を感じるとともに、コミカルな部分もある読みやすい一冊。(田中)

  • 『アメリカーナ』
    チママンダ・ンゴズィ・アディーチェ〈くぼたのぞみ=訳〉
    河出書房新社/本体4,600円+税

    アメリカで人気ブロガーとして活躍するものの、帰郷を決心するイフェメル。事業に成功し美しい妻と優雅に暮らすオビンゼ。ナイジェリアから飛び立つことを夢見た若い恋人たちは時と大陸を超え、ラゴスで再会する。伝統と急成長がおりなす混沌のナイジェリアが、時に力強く、時に愛情深く紡がれる超大作。(任)

  • 『トルコで私も考えた トルコ21世紀編』
    高橋由佳利
    集英社文庫/本体580円+税

    4歳年下のトルコ人男性と結婚した日本人女性の視点から描かれたエッセイ漫画。トルコは親日国として有名だが、文化や風習はまったく異なっていると知って驚いた。2005〜2008年に描かれた漫画なので現在とは違うところもあるかもしれないが、充分興味深いし、とても面白い。美味しそう&簡単に再現できそうなお料理のレシピも掲載されていて◎。(北岸)

  • 『メソポタミヤの殺人』
    アガサ・クリスティー〈石田善彦=訳〉
    ハヤカワ文庫/本体820円+税

    海外に旅行して殺人事件に巻き込まれるのは嫌。正直そう思うが、中東の遺跡発掘現場には行ってみたい。乾いた砂の中から姿を現す古代の器具・建物・塑像にロマン。発掘隊員たちに起こる事件。両方を楽しみたいのなら、この本のなかに旅立つことを勧める。謎を解くのは、あなたと探偵どちらが早いか。(母里)

  • 『アラビアンナイトストーリー』
    實吉達郎
    新紀元社/本体1,900円+税

    厚いのがイイ! アラビアンナイトがこんなに面白いなんて!! 200近くの説話が収められた『千夜一夜物語』のダイジェスト版は、百花繚乱の展開にページをめくる手が止まらないこと間違いなし。すぐ恋に落ちる美男美女。どこか人間臭い魔人。夜歩き好きな王様に舞い飛ぶ褒美。めくるめくイスラムの世界に、どうぞお出でませ。(杉田)

  • 『アルケミスト』
    パウロ・コエーリョ〈山川紘矢・山川亜希子=訳〉
    角川文庫/本体552円+税

    旅をすることを愛し、エジプトの宝を手にする夢を持つ少年サンチャゴの成長の姿は、夢を実現することの尊さを教えてくれる。目を閉じれば浮かんでくる砂漠の獰猛さ、美しさ、静寂……。自分と向き合い、風を感じ、世界を感じる。世界を旅してきたパウロにしか書けない、勇気の言葉と夢の輝きが詰まった宝物のような物語だ。(頼本)

  • 『路』
    吉田修一
    文春文庫/本体670円+税

    台湾は親日国として有名だ。しかし台湾に日本の新幹線が走っていることを知っている人は少ないのではないか。本書では、2000年に新幹線システムの導入が決定してから2007年に台湾高速鉄道が開通するまでの日台の人々の交流が描かれている。フィクションだが、背景にあるのは実際にあった出来事だ。読めば必ず台湾に行きたくなる一冊。(北岸)

  • 『アホウドリの糞でできた国』
    古田靖=文・寄藤文平=絵
    アスペクト文庫/本体630円+税

    昔々、太平洋上にアホウドリの糞が溜まってできた島がありました。住人は自給自足でのんびり暮らしていましたが、資源に目をつけられて占領され、独立後は取り返した資源で一躍大金持ちに。土地収入でなまけ放題暮らしていたら、資源を掘り尽くして破産のピンチに……!?  これはナウルという国の、ウソみたいな本当の物語。(杉田)

  • 『パパラギ』
    エーリッヒ・ショイルマン〈岡崎照男=訳〉
    ソフトバンク文庫/本体600円+税

    時間に追われない、隣の人と物を共有する、どんなに遠くて時間がかかっても、大事な友達に会いに行く、自然と共存して生きていく。今の私たちには出来ない、人間として最高の生活を、サモアの人々は送っていた。遠い異国の豊かな生活と、それを守ろうとしたツイアビの演説に、常識を覆され豊かさについて考えさせられた。(頼本)

  • 『アラバマ物語』
    ハーパー・リー〈菊池重三郎=訳〉
    暮しの手帖社/本体1,300円+税

    米国南部アラバマ州ののどかな町で育つ兄妹は、父親が罪に問われた黒人の弁護を行うことになり、大きく揺れ動く。さざ波立った町で浮き彫りになる人種と家柄の序列。幼い子どもたちはおとなの世界に導かれる。子育てから正義まで、考えるヒントをくれる名作。気になる幻の隣人の正体は最後まで読んだ人のお楽しみ。(任)
 


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