大学生になったら新書を読もう!
〜『読書のいずみ』Selection 〜

特集「本が好き! 〜みんなで読書マラソン〜」記事一覧


旬なテーマを手軽に読むことができ、手ごろなサイズで持ち運びにも便利な新書。今回は『読書のいずみ』のメンバーおすすめの新書をご用意しました。まだ新書に馴染みのないアナタも、まずはここから読み始めてみませんか。
 

  • 福井健策
    『18歳の著作権入門』
    ちくまプリマー新書/本体820円+税

    ネットやSNSの普及に伴い、より身近になりつつある著作権問題。本書ではそんな21世紀の新常識、著作権法について、ユーモアも交えつつわかりやすく解説がなされています。動画サイトの権利関係など、現代ならではの疑問も完全網羅。著者と会話をしているかのように読み進めることができ、楽しく知識が身につくと思います。(笠原)

  • 森達也
    『たったひとつの「真実」なんてない』
    ちくまプリマー新書/本体820円+税

    テレビに新聞にスマホ。私たちは日々様々な媒体=メディアから情報を得ているけど、その情報って本当に「客観的」? メディアの社会的意義から報道番組の作られ方まで、あらゆる面からメディアを捉えなおしてみよう。社会をより多角的に把握し、情報と上手く付き合っていくためのメディア・リテラシー入門書。(任)

  • 齋藤孝
    『10分あれば書店に行きなさい』
    メディアファクトリー新書/本体740円+税

    読了後、決めたことがある。
    ——待ち合わせ場所はこれから本屋にしよう!——
    以前から書店に行くことは好きだったが、この本では売り場の配置やポップなど、書店がいかに本への愛が詰まった空間なのかを改めて感じた。書店の楽しみ方は想像より奥深く、思ったよりそばに「テーマパーク」のような空間があることに気がついた。(田中)

  • 井上史雄
    『新・敬語論』
    NHK出版新書/本体780円+税

    敬語は、いつ、どこで習ったかを覚えている人はいるだろうか。「敬語は成人後習得」と考えると、私たちはまだまだ敬語初心者みたいなものである。敬語の分類、「マニュアル敬語」や「敬語の乱れ」などの敬語の基本分類から、なかなか人には聞けない敬語の疑問を解決してくれる一冊。これであなたも敬語は怖くない!(田中)

  • 東直子・穂村弘
    『しびれる短歌』
    ちくまプリマー新書/本体840円+税

    歌人で友人の二人が語り合うのは、家族や動物やお金の短歌の、「好き」はもちろん「驚いた」、「わからない」、「なんか嫌」まで。短歌を読み慣れない人のガイドとしても、言葉にまつわる読み物としてもオススメ。第一章「やっぱり基本は恋の歌」が「僕らの頭の中は『繁殖』と『恋』の二重性で混乱している」から始まるなんて。(杉田)

  • 大塚英志
    『ストーリーメーカー
    創作のための物語論』

    星海社新書/本体860円+税

    好きな漫画・映画・小説はどこから生まれるのでしょう。当然、制作者の頭の中です。たくさんの支持を得た制作者は、稀有な発想の持ち主として尊敬されるでしょう。では、そのような注目を浴びることは一般人には無理でしょうか。本書は、誰もがもつ発想のスイッチを探る一冊。誰の心にもピカピカに光るものはあるかもしれません。(母里)

  • 坂東眞理子
    『働く女性が知っておくべきこと』
    角川oneテーマ21/本体781円+税

    主人公は将来に悩み始めた文系の女子大生。本書は、新書でありながら主人公がいます。そして、彼女は真っ白な未来に漠然とした不安を抱えています。資格とります、TOEIC受けます、サークルやバイト頑張ります。それで将来への不安がなくなれば、苦労しないかもしれません。これからの社会を知るために、本を通して一緒に学びませんか。(母里)

  • 丹羽宇一郎
    『死ぬほど読書』
    幻冬舎新書/本体780円+税

    教養の条件は「自分が知らないことを知っている」ことと「相手の立場に立ってものごとが考えられる」の2つ。そして、この教養を磨くものは、「仕事と読書と人」。「古典を読む意味とは?」から「週刊誌は読書に入るのか?」まで、本の価値や読み方などが分かってくる。読書は「無償行為ゆえに無上の値打ち」がある——読み進めていくうちに「読書」をしたくなる一冊。(田中)

  • 牧村朝子
    『ゲイカップルに萌えたら迷惑ですか?
    聞きたい!けど聞けない! LGBTsのこと』

    イースト新書Q/本体840円+税

    タイトルにドキッとしたからには読もう。そう思って手に取りました。LGBTs(セクシュアルマイノリティの総称の一つ)に関する身近な悩みや戸惑いへの答え、歴史、用語など、実はわかっていない基礎知識がわかりやすく網羅されています。「あなた」と「わたし」のより良い関係のための、知識と理解のための、一冊です。(杉田)

  • 大本泉
    『作家のごちそう帖』
    平凡社新書/本体760円+税

    新書は堅くて読みづらい。おまけに読むのが面倒くさい。正直、私もそう思う。でも、すべての本がそうとは限らない。本書は、一度は名前を聞いたことがある作家たちの食べ物日記のようである。森鴎外の愛した饅頭茶漬け、超甘党の夏目漱石など、驚きと少しの笑いを綴った作品。新書は簡単なものから難しいものまでピンキリだ。(母里)

  • 岡田美智男
    『〈弱いロボット〉の思考
    わたし・身体・コミュニケーション』

    講談社現代新書/本体800円+税

    自分でゴミを拾えないゴミ箱型お掃除ロボット。困っている彼のために私がゴミを拾うことで、掃除という目的は果たされる——周りに助けてもらうことで行為を完遂する〈弱いロボット〉たちの誕生物語を追いながら「一人でできなくていい」という理論を教えてくれる一冊。文系のあなたにも理系のあなたにもおすすめです。(杉田)

  • 海保博之
    『心理学者が教える
    読ませる技術聞かせる技術』

    講談社ブルーバックス/本体1,000円+税

    私が人と話していると、いつの間にか話が本筋からそれていたり、相手が退屈そうな顔をしていることがある。私に「聞かせる技術」がないからだ。文章を書くのも苦手で、いつも文字を書き連ねているうちに本質を見失う。本書はそんな私のために用意された優れた指南書だ。本書のおかげでちょっとはましになれたと信じたい。(北岸)

  • 増本康平
    『老いと記憶
    加齢で得るもの、失うもの』

    中公新書/本体780円+税

    歳をとると記憶力が衰える、そうひと言で済ませられないほど問題は複雑です。本書では認知心理学の観点から確かな実証研究に基づき、加齢に伴う記憶の変化を解説しています。老いてもすべての記憶が衰えるわけではありません。超高齢社会の今、ひと足先に周囲や未来の自分との付き合い方を学んでみてはいかがでしょうか。(笠原)

  • 白澤卓二
    『100歳までボケない101の方法』
    文春新書/本体700円+税

    一生ボケたくない、というのは万人共通の願いだろう。でもこればかりは自分の意思ではどうにもならないよなあと諦めていたところ、本書に出会った。なんと、食生活や日常生活の習慣をちょっと変えるだけでボケ防止ができるらしい。笑顔を作ることも恋をすることも認知症の予防に繋がるので、笑顔でイケメン鑑賞しようっと♪(北岸)

  • 白波瀬佐和子
    『生き方の不平等』
    岩波新書/本体800円+税

    格差・不平等はどこにあるのか。私たちの生きる世の中は世代、ジェンダー、出身家庭をはじめとする色々な要素で分断されている。現代日本の様々な不平等の例から、みんながもっと生きやすくなる視点を提供してくれる一冊。もっとよくこの社会を知るために、気まぐれな世論に振り回されないように、読んでおきたい。(任)

  • 森博嗣
    『自分探しと楽しさについて』
    集英社新書/本体700円+税

    森博嗣さんの深い考えが垣間見られる、とても興味深いエッセイだ。本書を読んでいると、これまで円だと思い込んでいたものが実は円錐だったと判明したときのような嬉しさと興奮がある。つまり、物事には別の捉え方や考え方もあるということを気付かせてくれるのだ。他の新書もすべて勉強になるのでおすすめです。(北岸)

  • NHKスペシャル取材班
    『人工知能の「最適解」と
    人間の選択』

    NHK出版新書/本体780円+税

    人工知能は人間とは比にならないほどのスピードで情報処理を行い、「最適解」を導き出す。しかし、その理由は示さない所謂「ブラックボックス」化している。そんな人工知能と私たち人間は、どのように向き合っていくべきなのか。ただ人工知能の進化に恐怖し、否定するだけでよいのか。その問いに対するヒントがこの本にはある。(河本)

  • 鴻上尚史
    『不死身の特攻兵
    軍神はなぜ上官に反抗したか』

    講談社現代新書/本体880円+税

    この本は太平洋戦争の末期に計9回出撃し、9回全て生還した特攻兵の話。その特攻兵、佐々木友次氏に著者がインタビューしている。第4章では特攻の実像を捉えたうえで、論理的に批判している。特攻の実態を知った私は恐怖し、知らなければならない事実だと感じた。戦争の本をあまり読まない方や歴史が苦手な方にも、読みやすい一冊。(河本)

  • 伊藤公一朗
    『データ分析の力
    因果関係に迫る思考法』

    光文社新書/本体780円+税

    相関関係があるから、パーセントが高いから、「XはYに影響している」って、言えますか? 因果関係を特定する思考の仕方を実際の調査例から紹介する一冊。ビッグデータに興味がある人も、統計を学ぶ人も、なんとなく数字のデータを見ると信じちゃうという人にもおすすめ。数式がほとんどなく、数学が苦手でも大丈夫。(任)

  • 三木義一
    『日本の税金』
    岩波新書/本体840円+税

    生涯3千万円とも言われる納税額、ただ「取られるもの」という認識ではもったいない。本書では税制の基礎をわかりやすく解説し、さらに我々納税者にその課題を提起する。驚くことに、日本の税制はまだまだ問題だらけのようだ。税を考えることは、国の在り方を考えること。この本を読んで一歩進んだ問題意識を高めてみませんか。(笠原)

  • 木村草太ほか
    『「改憲」の論点』
    集英社新書/本体880円+税

    あなたは憲法改正についてどのようにお考えですか。正直難しくてあまり考えたことがなかった、もしくは何から考えればいいのか分からない、そんな方もいると思います。そこでおすすめなのがこの本。憲法改正について専門家が様々な視点から論を展開しているので、きっと憲法改正を考える手助けとなるはずです。(河本)
 


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