愛媛大学2回 河本捷太
1月Ⅹ日

今日は僕がまだ読めていなかった森博嗣さんのミステリィ、Xシリーズ第一弾、『
イナイ×イナイ PEEKABOO』(講談社文庫)を読んだ。久しぶりに森さんの本を読めたということもあり、読んでて楽しくて楽しくて仕方がなかった。物語の舞台は都心にある広大な旧家。そこに住む佐竹千鶴は椙田探偵事務所に「私の兄を捜していただきたいのです」と依頼する。事務所で働く小川と真鍋は調査を始める。舞台が屋敷であることや探偵が登場することなど少しレトロな雰囲気を感じさせるミステリィとなっている。
森さんの物語に登場する人物は個性的なキャラクターばかりで、好きなキャラクターができることが多い。僕はこの本に登場するおそらく主人公であろう真鍋瞬市という人物がお気に入りだ。彼は美大生で、外見はオタクっぽいらしいが、このお話では探偵役となる。また彼は、よくしゃべり、しゃべりながら考えるタイプの人らしく、なんだか僕と似ているかもしれないと勝手に親近感を抱いたのだ。好きなキャラクターができるとより一層本を読むのが好きになると思うから、他の人にも是非好きなキャラクターを見つけてほしいなとふと思った。
1月Ⅹ+4日

先日、『イナイ×イナイ~』を読んで以降、Xシリーズにドハマりした僕は一日一冊のペースでこのシリーズを読んでいる。このシリーズはもともとノベルスで出版されており、それが文庫化されたものを僕は読んでいる。今日は文庫化されているうちの最新刊、Xシリーズ第5弾にあたる、『
サイタ×サイタ EXPLOSIVE』(講談社文庫)を読み終えた。椙田探偵事務所改めSYアート&リサーチの小川と真鍋は匿名の依頼を受け、ある男の尾行をしていた。その同時期に連続爆発事件が起きていたが、そこには意外な関係があった。
この物語の特徴は何といっても尾行のシーンがあり、緊張感などがリアルに伝わってくることだ。特に張り込みの際に車の中で行われる議論は興味深い。
このシリーズを含めて、森さんのミステリィを読み終えた後は、決まっていつも自分がちょっとだけ賢くなった気分になって勉強がはかどるのだ。森さんのミステリィでは結局理由が語られないようなことがあったりしてモヤモヤするのにどうしてだろう。もしかしたら登場人物の明晰さや思考を読書によって疑似体験することでそのような気持ちになるのかもしれない。実際、シリーズに最低一人は明晰な探偵役がいる。だから僕は本を読んだ後はいつも勉強する。そうだ、今から勉強してこようかな。