新型コロナウイルス感染症拡大によるさまざまな影響が長引く中、全国大学生協連では大学生を取り巻く実態を把握するために「大学生アンケート」を4月・5月・7月に実施しました。3回のアンケート活動を通じて合計6万件以上の回答をいただき、学生の経済状況や学び方、そして社会や大学への声や要望を多く集めることができました。アンケートから見えてきた学生の声を踏まえて、今後の大学生活のありようや大学生協として取り組むべきテーマについて検討を進めています。また、アンケート結果を社会に広く発信し、この状況下にある大学生への理解を深めていただき、今後の大学生活の向上につながることを願っています。
第1弾 4/20〜4/30 |
第2弾 5/20〜5/30 |
第3弾 7/20〜7/30 |
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学部生 | 35,542 回答 | 14,624 回答 | 9,086 回答 |
院 生 | 1,702 回答 | 504 回答 | 265 回答 |
留学生 | 実施なし | 174 回答 | 30 回答 |
アンケートを通じて、大学生を取り巻く「暮らしの危機」「学びの危機」「コミュニティの危機」の“3つの危機” が明確に見えてきました。
1つ目の危機は、学費や生活費の見通しが立たず、健康で文化的な大学生活を送れないという“ 暮らしの危機” です。
「感染リスクを考えると働くのが怖いが、働かないと収入がない。」「国の給付金の対象外となり、学費の減額がなければ大学を辞めることも考えている。」といった声が多く、アルバイト収入で学費や生活費を賄っていた学生が学業を継続できない状況が生まれています。
2つ目の危機は、オンライン授業による弊害や実習・進路の見通しが立たないという“ 学びの危機” です。
「授業はデータ配布のみだが、課題は大量にあり学修ではなく作業だ!」「行きたかった業界が軒並み採用ストップになってしまった。」などの声から、大学での学びが不十分になっている学生や就職活動の目途が立たない学生が多いことがうかがえます。
3つ目の危機は、大学での友達が作れず学び合い・励まし合いができないという“ コミュニティの危機” です。
「ずっと部屋に籠っており、ストレスが溜まる。」といった声や、大学での友達が5人未満と答える学生が回答者の半数以上を占めることからも、キャンパスの中で生まれていた人と人とのつながり・コミュニティを、今の状況では生み出せていないことが分かります。
大学生協は、学生を中心とした組合員同士がつながることでこの危機を乗り越えていきたいと考えています。
そして、大学とともに「よりよき大学生活と平和」を実現するために以下の3つのスタンスを全国で確認しました。
大学生協は、
大学生を取り巻く危機は、コロナ禍の社会の変化に伴って刻一刻と変化しています。その変化や一つ一つの声をしっかりと捉えて、一人でも多くの組合員が充実した大学生活を実現できるように、さまざまな取り組みを進めてまいります。
引き続き、ご理解・ご支援のほどよろしくお願い申し上げます。