「読む」宇宙
いずみ委員・読者スタッフSelection

特集「宇宙のはなし」記事一覧

宇宙を題材にした数ある小説・コミックの中から、『読書のいずみ』委員・読者スタッフイチオシの作品を集めました。
  • 雪舟えま=文/カシワイ=絵
    『ナニュークたちの星座』
    アリス館/定価1,430円(税込) 本当に光り輝くものとは? 宇宙の遠くどこかの星で、ある少年のクローンたちは資源となる光る石の採集に勤しんでいる。光は子どもにしか見えないため、成長した22号は鉱山を離れ、失踪した23号を探しに首都の紅茶街にいく決心をする。モダンなイラストと優しい文で、眠れない夜に寄り添ってくれそうなやわらかなSF。

    (任)

  • 星新一
    『宇宙のあいさつ』
    新潮文庫/定価781円(税込) 本を読みたい! でも時間がない……。そんなあなたには星新一のショートショートがおすすめ。壮年期を迎えた地球文明の運命をえがいた表題作「宇宙のあいさつ」をはじめ、数分程度でサクッと読めるお話が盛りだくさん。いつまでも古びることのない無数の作品世界を是非楽しんでください。

    (中川)

  • 大原まり子
    『一人で歩いていった猫』
    ハヤカワ文庫/定価513円(税込) 表題作は、地球に流刑された猫形態の新人類が人間を従え新たな歴史を創る、始まりの特異点あるいは終りの歴史。広大な銀河網と宇宙史観は、5つの短編がX軸、Y軸、Z軸を縦横に駆け巡ることで一つの有機体として鼓動する。初見での理解は難しい。2、3回の再読をして欲しい。すると貴方はこの宇宙から目を離せなくなる。

    (古本)

 
  • フィリップ・K・ディック〈浅倉久志=訳〉
    『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』
    ハヤカワ文庫/定価990円(税込) AI、人工知能という言葉が囁かれる時代は過ぎ去り、すでに日常の一部となって久しい。日常に最新技術が溶け込むほどに、人間と機械の境界は曖昧になり、溶けていく。本作は、人間と見た目も感情の動きも見分けがつかないアンドロイドが登場した時代、「人間らしさ」とは何なのか、徹底的に突き詰めた筆致が魅力の一冊だ。

    (内田)

  • 劉慈欣〈大森望・他=訳、立原透耶=監修〉
    『三体』
    早川書房/定価2,090円(税込) もしも人類が宇宙からやってくる生命体と対峙することになったら。価値観が多様化した人類は一枚岩にはなれないし、「生き延びたい」という気持ちすら、みんながもっているわけではない。圧倒的な存在に振り回されながら登場人物がそれぞれ価値観や信条を自問し、自らの知によってもがきながら進もうとする。 

    (齊藤)

  • エンリケ・バリオス
    〈石原彰二=訳、さくらももこ=絵〉

    『アミ 小さな宇宙人』
    徳間文庫/定価607円(税込) 印象的な注意書きから始まる、宇宙人アミと少年ペドゥリートの物語。世界11ヶ国で翻訳されており、日本語版にはさくらももこさんの優しいイラストが添えられている。物語を通して伝わってくるメッセージに対して、自分はどう考えるか、自分自身と向き合いながら読みたい一冊。 

    (川柳)

 
  • メノタ
    『果ての星通信 1〜5』
    PASH!コミックス/定価693〜715円 ロシア人の青年マルコは、恋人と新生活を始めようとしていた幸せの絶頂で突然宇宙に転送され、「果ての管理者」として10年働くことを強制される。理不尽に大切な物を奪う「神」など重く深いテーマを扱いつつ、ユニークな星々や宇宙人、理科実験のような「星の育て方」などワクワクも詰まっていて、心の宝箱にしまいたくなるような作品。

    (徳岡)

  • 市川春子
    『宝石の国 1〜11』
    講談社アフタヌーンKC/定価(各)748円(税込) はるか遠い未来の世界で宝石の体を持つ生物たちが、月から来襲し宝石を誘拐しようとする月人と戦う話です。ファンからは「綺麗な蝶々の羽をゆっくりむしり取るよう」とも称される、美麗なイラストと残酷な展開が面白い作品です。

    (古沼)

 

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