星空を楽しむ本
佐々木 夏(月刊 天文ガイド編集部)
▼特集「宇宙のはなし」記事一覧

天文ファンならみなさんご存知の専門誌・『月刊 天文ガイド』。今回は編集部の佐々木夏さんに、星空観察を楽しむためのおすすめの本をご紹介いただきました。
H・A・レイ=文・絵〈草下英明=訳〉
『星座を見つけよう』
福音館書店/定価1,650円(税込) 「おさるのジョージ」作者による1969年刊行のロングセラー。星座の結び方、季節の星空、星座神話などをやさしく紹介。かわいらしいイラストを眺めているだけでも、星空が身近に感じられる名著です。
森雅之=イラスト、相馬充=監修
『月の満ちかけをながめよう』
誠文堂新光社/定価1,540円(税込)夜空に浮かぶ身近な天体「月」。星があまり見えない夜には、月に目を向けるのがおすすめ。新月から満月を経て、ふたたび新月へとめぐる月の満ちかけのしくみを知ると、夜空を見上げるのが楽しみになります。
藤井旭
『藤井旭の天文年鑑 2022年版』
誠文堂新光社/定価990円(税込)ニュースで話題となる流星群や月食などの他にも、見応えのある天文現象はあります。本書は2022年に起こる代表的な天文現象を月別に紹介。星空の見どころがやさしくわかる、星空観察のためのガイドブックです。
ババク・タフレシ
『世界の美しい夜空』
玄光社/定価3,960円(税込)世界40ヵ国にわたり、大自然や著名な建築物などとともに、上空に広がる星空を写した写真集。大地から立ち上る天の川、月が照らし出す風景、空一面を舞うオーロラ……息を飲むような「星空絶景」に圧倒されます。
KAGAYA
『一瞬の宇宙』
河出書房新社/定価1,760円(税込)ツイッターフォロワー89万人超の星空写真家によるフォトエッセイ。地上から見ることができる美しい星空を追い求め、世界を駆け巡る写真家のドキュメント。“宇宙の一瞬の輝き”との出会いに立ち会える一冊。
佐藤勝彦
『眠れなくなる宇宙のはなし
(増補改訂版)』
宝島社/定価1,540円(税込)古代から現代までの宇宙のとらえかたの変遷を紹介しながら、最新の宇宙の姿・最先端の宇宙理論までをわかりやすく紹介。星空を眺めながら、宇宙の始まりや宇宙の果てに思いをはせる。そんな知的興奮を味わえます。
近藤二郎
『星座の起源』
誠文堂新光社/定価3,300円(税込)現在、知られている星座はギリシア神話由来のものですが、そのさらに以前、古代エジプトやメソポタミアに星座の起源をたどることができます。人間が夜空の星を結んで星座とする営為。その歴史に触れられます。
Column
★ 夜空が宇宙につながる星空観察 ★
明るい街中の夜空でも星を身近に感じることはできます。おすすめは、季節の代表的な星座を一つ覚え、夜空で見つけてみること。夏の空なら、夏の大三角を形づくるはくちょう座、冬ならオリオン座は市街地の夜空でもその形がわかります。単純な行為ですが、夜空をふと見上げたときに知っている星座があると、不思議と嬉しい気持ちになります。その星座にまつわる星座神話や、周囲にある星座を知っていると、夜空を見上げる楽しさは大きくなります。夜ごと空を見上げれば星座の位置が変わっていることに気づき、季節の変化がわかります。さらに、星座を構成する星ぼしが地球からどれくらいの距離にあるかを知っていれば「宇宙」を見ているような気分になるかもしれません。人間は、古代からこのようにして星空を見上げ、宇宙の姿に迫ってきました。身近にある夜空も、興味を持って見上げると「宇宙」につながります。紹介した書籍でぜひ星空への興味を深めていただければ幸いです。
月刊 天文ガイド編集部 佐々木 夏(ささき・なつ)
●
『月刊 天文ガイド』は、誠文堂新光社より毎月5日発売 誠文堂新光社 公式HP
▲記事へ戻る
ご意見・ご感想はこちらから