ダマされないチカラ養成HandBook

覚えておこう 賃貸住宅のトラブルを防ぐためのチェックポイント

1 これから一人暮らしを始めるみなさんヘ

  • 賃貸借契約の基礎知識を紹介します

    “一人暮らし”その大切な第一歩は部屋探しです。部屋を借りる場合には貸主との間で賃貸借契約を結ばなければなりませんが、その際のトラブルが多発しています。契約時は、契約書の内容を納得できるまでよく確認し、わからないことや疑問に思ったことは、事前に確認することがトラブル回避の秘けつです。

2 部屋探しの流れ

  • STEP.1 物件の情報収集をしましょう

    いつから、どこに住むか、予算はいくらかなどしっかり計画をたてましょう。架空の物件等を掲載した「おとり広告」に惑わされないように注意しましょう。

  • STEP.2 部屋を探してもらいましょう

    宅地建物取引業者(宅建業者≒媒介業者)に依頼する場合、免許があり、実在する業者か調べましょう。希望条件はできるだけ詳しく伝え、わからないことはその場で質問し解決しておきましょう。

  • STEP.3 実際に物件を見学しましょう

    部屋を見ないで契約してしまうと、入居後実際の部屋と間取り図面が違ったりすることがありトラプルの原因になります。間取りや設備、日当たりに等に加え、最寄り駅や近所に何があるか、また周辺環境についても、見る時間や曜日も変えながらしっかり確認しましょう。

  • STEP.4 契約しましょう

    部屋が決まったら「入居申込書」等を宅建業者等に提出し、貸主から事前の承諾を得ます。その上で重要事項の説明を受け、重要事項説明書の交付が行われます。重要事項説明書に自署押印した時点ではまだ契約は成立していません。その後賃貸借契約を結ぶことで契約が成立します。重要事項説明書と契約書はきちんと保管しておきましょう。

    まめ知識

    媒介報酬(仲介手数料)には限度が定められています!
    建物の賃貸借の場合、媒介(仲介)する宅建業者が貸主と借主の双方から受領できる報酬額の合計額は、賃料の1か月分に消費税を加えた額以内と宅地建物取引業法で定められています。

  • STEP.5 入居しましょう

    部屋のカギを受け取る際には、宅建業者や貸主の立ち会いの下、もともとのキズや汚れがないか部屋の現状確認を行います。退去時のトラブル防止のため、しっかり確認しましょう。物件状況を写真に撮っておくとよいでしょう。

    まめ知識

    退去時に必要!「原状回復」ってなに??
    アパートやマンションを借りて入居する場合、退去時には入居したときの状態に戻すことが原則です。これを原状回復と呼びます。しかし設備等の多くは通常の使用で自然に劣化していきます。これを「自然消耗」といいます。原則借主側がその修繕費を負担する必要はあリませんが、そのこともしっかり事前に確認しておきましょう。また、返去時に契約書の返戻を求められるケ一スがあリます。トラブル防止のため、返戻には応じないか、応じる場合は必ずコピーを保管しておきましょう。

3 重要事項説明

  • 重要事項説明書とは

    重要事項説明書とは、借りるかどうかの判断に必要となる重要な事項をまとめた書面のことです。宅建業者は、契約が成立するまでの間に、宅地建物取引士を介して、この書面を借主に渡すだけでなく、取引士証を提示して説明する義務があります(宅地建物取引業法第35条)。

    重要事項説明を受ける際は、記載されていることはもちろんのこと、それ以外でも気になること、疑問に思うことなど遠慮せずに質問をして、十分に理解・納得した上で契約するようにしましょう。

主な重要事項

①物件の表示②登記記録に記載された事項③設備の整備状況④利用の制限に関する事項⑤契約の期間及び契約の更新に関する事項⑥契約の解除や損害賠償の予定に関する事項⑦契約の終了時における金銭の精算に関する事項(敷金等の精算)

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